# VitePress とは? {#what-is-vitepress} VitePress は、高速でコンテンツ中心の Web サイトを構築するための [静的サイトジェネレーター(SSG)](https://en.wikipedia.org/wiki/Static_site_generator) です。要するに、VitePress は [Markdown](https://en.wikipedia.org/wiki/Markdown) で書かれたソースコンテンツにテーマを適用し、どこにでも簡単にデプロイできる静的 HTML ページを生成します。
まずは試してみたい? [クイックスタート](./getting-started) へどうぞ。
## ユースケース {#use-cases} - **ドキュメント** VitePress には技術ドキュメント向けに設計されたデフォルトテーマが同梱されています。今あなたが読んでいるこのページのほか、[Vite](https://vitejs.dev/)、[Rollup](https://rollupjs.org/)、[Pinia](https://pinia.vuejs.org/)、[VueUse](https://vueuse.org/)、[Vitest](https://vitest.dev/)、[D3](https://d3js.org/)、[UnoCSS](https://unocss.dev/)、[Iconify](https://iconify.design/) など、[まだまだたくさん](https://github.com/search?q=/%22vitepress%22:+/+path:/(?:package%7Cdeno)%5C.jsonc?$/+NOT+is:fork+NOT+is:archived&type=code)のドキュメントサイトで使われています。 [公式の Vue.js ドキュメント](https://vuejs.org/) も VitePress をベースにしています(複数言語で共有されるカスタムテーマを使用)。 - **ブログ/ポートフォリオ/マーケティングサイト** VitePress は [フルカスタムテーマ](./custom-theme) をサポートし、標準的な Vite + Vue アプリ同様の開発体験を提供します。Vite 上に構築されているため、豊富なエコシステムから Vite プラグインを直接活用できます。さらに、[データの読み込み](./data-loading)(ローカル/リモート)や [ルートの動的生成](./routing#dynamic-routes) のための柔軟な API も提供します。ビルド時にデータが確定できる限り、ほとんど何でも構築できます。 公式の [Vue.js ブログ](https://blog.vuejs.org/) は、ローカルコンテンツに基づいてインデックスページを生成するシンプルなブログです。 ## 開発体験 {#developer-experience} VitePress は、Markdown コンテンツを扱う際の優れた開発体験(DX)を目指しています。 - **[Vite 駆動](https://vitejs.dev/)**:即時サーバー起動、編集はページリロードなしで常に瞬時(<100ms)に反映。 - **[ビルトインの Markdown 拡張](./markdown)**:Frontmatter、表、シンタックスハイライト…必要なものはひと通り。特にコードブロック周りの機能が充実しており、高度な技術ドキュメントに最適です。 - **[Vue 拡張 Markdown](./using-vue)**:各 Markdown ページは Vue の [単一ファイルコンポーネント(SFC)](https://vuejs.org/guide/scaling-up/sfc.html) としても機能します。HTML と 100% 互換な Vue テンプレートを活かし、Vue のテンプレート機能やインポートしたコンポーネントで静的コンテンツにインタラクションを埋め込めます。 ## パフォーマンス {#performance} 多くの従来型 SSG と異なり、VitePress で生成されたサイトは **初回訪問では静的 HTML** を返し、その後のサイト内ナビゲーションは [シングルページアプリケーション(SPA)](https://en.wikipedia.org/wiki/Single-page_application) として動作します。これはパフォーマンス面で最適なバランスだと考えています。 - **初期ロードが速い** どのページへの初回訪問でも、静的な事前レンダリング HTML が配信され、高速な読み込みと最適な SEO を実現します。続いて JavaScript バンドルが読み込まれ、ページが Vue の SPA に「ハイドレート」されます。SPA のハイドレーションは遅いという通説に反し、Vue 3 の素のパフォーマンスとコンパイラ最適化により非常に高速です。[PageSpeed Insights](https://pagespeed.web.dev/report?url=https%3A%2F%2Fvitepress.dev%2F) でも、VitePress サイトは低速回線のローエンド端末でもほぼ満点のスコアを達成できます。 - **読み込み後のナビゲーションが速い** さらに重要なのは、初回ロード**後**の体験が向上することです。サイト内の以降の移動ではフルリロードは発生せず、遷移先のコンテンツを取得して動的に更新します。VitePress はビューポート内のリンクに対してページチャンクを自動プリフェッチするため、ほとんどの場合で遷移は「即時」に感じられます。 - **インタラクションのペナルティなし** 静的 Markdown に埋め込まれた動的な Vue 部分をハイドレートできるよう、各 Markdown ページは Vue コンポーネントとして処理され JavaScript にコンパイルされます。一見非効率に思えますが、Vue コンパイラは静的部分と動的部分を賢く分離し、ハイドレーションのコストとペイロードを最小化します。初回ロードでは静的部分は自動的に JS ペイロードから除外され、ハイドレーションでもスキップされます。 ## VuePress はどうなるの? {#what-about-vuepress} VitePress は VuePress 1 の精神的後継です。元の VuePress 1 は Vue 2 と webpack をベースとしていました。VitePress は内部に Vue 3 と Vite を採用し、開発体験・本番性能・完成度の高いデフォルトテーマ・より柔軟なカスタマイズ API を提供します。 VitePress と VuePress 1 の API の違いは主にテーマやカスタマイズ周りにあります。VuePress 1 でデフォルトテーマを使っている場合は、比較的容易に移行できます。 2 つの SSG を並行して維持するのは現実的ではないため、Vue チームは長期的に VitePress を推奨 SSG とする方針に集中しています。現在、VuePress 1 は非推奨となり、VuePress 2 は今後の開発・保守を VuePress コミュニティチームに委ねています。